創業以来こだわり続けてきたタンニンなめしの上質な革を求める旅に終わりはないのですが、創業者が頑として譲らなかった、タンニンでしっかりとなめされた厚い革が当時も今も稀少価値的な存在であることに変わりはありません。海外からの革の調達は三世代に渡るミッションとなり、定期的に革の国際見本市を訪問し、時には直接タンナーを訪問して、各社との意見交換を重ね、信頼関係を築いてきました。
今年の創業祭でご紹介する企画品には、これまで機会を見つけて限定製作してきた、ドイツから買い付けているダークブラウンの革を使用しています。年々、この素材に関心を持ってくださる方が増え、おかげさまで多くのご愛用者からご好評をいただいています。2016年にこの革に出会った当初は、「日本人には向かない素材」と断言されましたが、皮の肌目を隠さず、そのまま生かして仕上げられたこの革本来の質感は、言葉を超えた領域で人の感性に響くものであることを、今では多くのご愛用者が証明してくださっています。
日本製の品質の高さは、革の業界でも広く認められています。一方で、革そのものの良さを生かす仕上げの技術は、皮のなめしで長い歴史を持つヨーロッパに敵わないところがあり、日本国内では目にする機会も少なく、知らない方も多いため、初めて目にした途端に心を動かされてしまうのも自然なことかもしれません。
現在は、為替レートの影響もあり、輸入そのものが価格上昇の要因となっています。また、1990年代終盤には、ヨーロッパを中心に発生した狂牛病によって、世界の皮革業界が翻弄された時代も経験しました。
そうした幾多の山坂を乗り越えながら、三代にわたって革へのこだわりを貫いてきたその先に、革そのものの良さに気づいていただける素材で、製品をご紹介することがようやく可能になりました。過去にご紹介した製品のアーカイブも、ぜひ懐かしくご覧ください。そして、今年の創業祭でご紹介する企画品も、楽しみにお待ちいただければと思います。
これまでのドイツ革製品をご紹介
▶鞄いたがき創業祭2026
10月1日(木)~31日(土)まで全直営店とオンラインショップにて開催。
▶職人お手入れ修理相談会
期 間:10月10日(土)・11日(日)の2日間
開催店舗:京王プラザホテル札幌店・京王プラザホテル新宿店・中部国際空港セントレア店・京都御池店
(※新千歳空港クラフトスタジオ店では開催いたしません)