日頃より、いたがきをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
今年は長年の念願であった裁断棟が完成し、創業42周年を迎えることが出来ました。
大事な革を保管する革倉庫が完備され、明るく広いスペースで効率的に裁断作業が行えるようになりました。
そして、2008年に完成したガーデン・エコファクトリーとも渡り廊下で繋がり、製造部門が一体化したことで、
創業半世紀に向けて力を結集して、新たな一歩を踏み出すことが出来たように思います。
これもひとえに、皆様のご愛顧とご支援のおかげと心より感謝申し上げます。
創業以来いたがきは、タンニンなめしの革にこだわり続けていることは周知のことですが、素材調達には労を惜しまずに取り組んできたおかげで、多くの出会いに恵まれて、今では国内外のタンナーとの信頼関係も構築され、”良いとこ取り”とも言えるくらいに上質な素材を安定して供給していただけるようになりました。
1990年初めに香港の皮革見本市でお会いした、イギリス老舗タンナーの工場長だったクックさんからは、
「タンニンなめしの革は環境に優しいと言うことを、世の中に伝えて行きなさい」とアドバイスをもらいました。
リバプールのなめし工場を訪れた時は、大英帝国繁栄の歴史を想像させるような工場の大きさに圧倒されたことを思い出します
この間にも、ヨーロッパから狂牛病が世界に蔓延して、牛の飼育自体に変化をもたらしたり、コロナ禍、さらには戦争など、国際貨物の輸送状況にまで様々な影響が及ぶようになりました。
世の中は大きく様変わりして、私たちも正にその渦中にいますが、革に携わる各社では世代交代が進み、バトンを渡された新しい世代が、素材調達の基盤を支えるようになって来ています。
スマートフォンのように、誰でもすぐに繋がる便利なアイテムも普及して久しいですが、私たちはその時代に合わせて自ら行動し、出来る限り現地に足を運んで会話を重ね、お互いの信頼関係を築いていくことが、上質な素材を安定して供給していただくためには欠かせない事なので、これまでと同様に機会を逃さずに歩み続けることの重要性を後継者たちに伝えています。
今年の創業祭では、商品開発から26年を迎える「馬蹄シリーズ」を取り上げ、その発想のきっかけや素材、継承されているものづくりの技術についてご紹介します。製品をご覧いただき、店舗スタッフとの会話も楽しまれつつ、いたがきやタンニンなめしの革について、より深く知っていただける機会となれば幸いです。
来年、そして50周年に向けた企画もこれから温めて参りますので、どうぞご期待ください。
株式会社 いたがき
代表取締役会長 板垣江美