鞄いたがきでは製品をより永くお使いいただくために修理部門を完備しています。
ご愛用品の気になる部分をお聞かせください。
専門スタッフがお預かりした修理品の状態を確認した後、必要に応じて修理箇所をご提案させていただき、納期とお見積もりをお知らせします。
今回は発売から30周年を迎えたロングセラー《E554 リュックサック A4》の、ファスナー交換と横マチ交換の様子をご紹介します。
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専門スタッフがお預かりした修理品の状態を確認した後、必要に応じて修理箇所をご提案させていただき、納期とお見積もりをお知らせします。
今回は発売から30周年を迎えたロングセラー《E554 リュックサック A4》の、ファスナー交換と横マチ交換の様子をご紹介します。
約8年程ご愛用いただいているこちらのお品は、過去にも天マチ交換や背負いバンド取り付け部の根革交換などで何度か修理をご利用いただいていたもの。今回は摩耗し噛み合わなくなってしまったファスナーの交換と、穴が開いてしまった横マチの交換のためにご依頼いただきました。
過去にパーツ交換した部分も、その差が分からないほど馴染んだ色になっていて、愛着を持ってお使いいただいている様子が伝わってきます。強い負荷がかかりやすい後側の背負いバンドの根革にも傷みが見られたため、合わせて交換することとなりました。
最初に少しずつ糸をほどいてリュックサックを解体します。傷んで交換するパーツだけをほどくのではなく、後の組み立て作業にも影響する部分も多いため、解体する箇所は傷んだ部分以上に広範囲に渡ります。解体作業は、残すパーツにも大きな負担がかかるため、乾燥や劣化が激しい場合など、革の状態によっては修理に耐えられないと判断させていただくこともあります。
次に天マチに新しい横マチを合わせます。穴が開いてしまったのは片方のマチだけですが、修理後にバランスが悪くならないよう両方のマチを交換します。
使い込んで馴染んだ革は、経年や使い方によって伸びたり縮んだりと変形しているので、職人の感覚で調整しながら、本体と新しいパーツとを合わせていかなければなりません。ここで無理な合わせ方をすると、鞄全体のバランスに影響が出てしまいます。修理をした後も、変わらずにご使用いただけるかどうかを左右する、重要な工程です。
新しいパーツと元のパーツを繋ぐファスナーの貼り合わせも、至難の業です。合わせたマチに新しいファスナーテープを縫い付け、次にこのマチ部分と前ボディを縫い合わせます。三方に大きく開くのが特徴でもあるこちらのリュックサックでは、使用するファスナーの長さも1メートル近くに及びます。元の針穴からずれないよう、集中しながらミシンを進めます。
本体の後ポケットには、背負いバンドのための新しい根革を取り付けます。根革の下には補強のための金具が入ります。また、天マチの内側には、コの字型の鉄板も取り付けます。A4サイズでビジネス用にお使いの方も多いこの鞄。パソコンや書類など、ある程度の重さにも耐えられるように見えない部分にも工夫が施されています。
最後に底と後ボディを縫い合わせ、全体的なコバの塗り直しや、擦れた革部分に色入れなどの丁寧なメンテナンスを施して、修理完了です。
今回は、大きな解体を伴う修理でしたが、馴染んだ革の風格も残しつつ、しっかりとした形で生まれ変わりました。過去に何度かの修理を経ながらも、お仕事鞄として週に6日お使いだというこちらのリュックサック。お客様の良き相棒として、これからも永く活躍してくれることを願っております。